Wednesday, May 19, 2010

MIDI-INのフォトカプラ

こんにちは、マスラックスの久世です。MIDI−INデバイスをつくったときのフォトカプラのお話です。

マイコンでMIDI信号を受け取る(MIDI-IN)には、フォトカプラを使います。こうすることでつなぐ機器を絶縁することができて、不慮の電気ノイズ、具体的には自作のデバイスでミスして電気が逆流してたり、どこかがショートしたことで全部が壊れてしまったりすることを、できるだけ防ぐことができます。

このフォトカプラは、何でもいいというわけではなく、高速にオンオフしても波形のレスポンスがいいことがポイントです。マスラックスでいつも使用するフォトカプラは「TLP513」です。他にもいくつか使えるものはありますが、入手しやすいのでこれにしています。

比較的安価で一般的なフォトカプラ「TLP521-1」との違いはつづきから。


比較的安価で一般的なフォトカプラに「TLP521-1」などがあります。どう違うかはデータシートを見ます。なんか内部の回路図が違いますね。


こちらは「TLP521-1」の図(データシートから抜粋)。

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こちらは「TLP513」の図(データシートより抜粋)。
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データシートの数値を見ていくと、「TLP521-1」と「TLP513」のレスポンスの違いがわかります。立ち上がりと立ち下がりにかかる時間、つまりオンオフする時間に差があります。


こちらは「TLP521-1」の表。(データシートから抜粋)
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こちらは「TLP513」の表と図(データシートより抜粋)。
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この応答速度は、MIDI信号の速度よりも速くなければいけません。MIDIは31250bpsです。1秒間に31250回のビットを扱いますので、立ち上がり/立ち下がりもこの時間内に行わないといけません。

1秒 / 31250 = 0.000032 秒 = 32us(マイクロ秒)


「TLP512−1」の場合は、このように入ってきたMIDI信号がズレてしまいます。32us(マイクロ秒)でオンオフをしたいところなので、このズレはかなり大きな割合です。

「TLP513」の場合は、TLP521-1が「マイクロ秒」単位のズレだったのに対し、さらに1/1000の「ナノ秒」単位のズレなので、MIDI信号のズレは圧倒的に少なくなります。


このように、MIDI−INの場合はフォトカプラの選定も重要なポイントです。

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